登山において、水分補給は安全確保とパフォーマンス維持のカギです。
特に夏場や縦走などの長時間行動では、ウォーターキャリーの使いやすさや耐久性が快適さを左右します。
本記事では、登山者に人気の
「プラティパス」と「エバニュー」のウォーターキャリーを、実際に1ヶ月使用して徹底比較しました。
- 使いやすさ
- 耐久性・漏れにくさ
- 味やニオイの移りにくさ
- 携帯性と収納性
- 価格・保証の違い
などを中心に、登山目線で評価しています。
それぞれのメリット・デメリットを整理することで、「自分にとって最適な1本」が選びやすくなるはずです。

「結局どっちがいいの?」に悩む人のために、1ヶ月使い比べたリアルな感想をもとに、両者の特徴とおすすめの選び方を徹底解説します。
実際に使ってみて、納得できる一本が見つかりました!
登場モデル紹介|プラティパスとエバニューとは?
登山用ウォーターキャリーとして人気を集める「プラティパス」と「エバニュー」。
どちらも軽量・コンパクトで、ハードな登山でも活躍する製品ですが、それぞれに明確な特徴があります。
この章では、両ブランドの成り立ちや代表的なモデルについて紹介します。
プラティパスとは?


プラティパス(Platypus)はアメリカ発のアウトドアブランドで、軽量ハイドレーション製品に特化しています。
特に、水の「味移り」が少ない素材にこだわっており、「クリーンな水をそのまま飲める」ことを重視しているのが特徴です。
また、以下のような点が評価されています。
- モデルバリエーションが豊富(ボトルタイプからリザーバータイプまで選べる)
- 使用シーン別に細かく設計された製品展開
- 製品によっては生涯保証付きで、長く使える安心感がある
エバニューとは?


エバニュー(EVERNEW)は、日本の登山・アウトドア用品メーカーです。
特にチタン製クッカーで知られていますが、UL(ウルトラライト)志向の登山者向けに開発されたウォーターキャリーも高く評価されています。
特徴的なポイントは以下の通り。
- ソーヤーの浄水器と高い互換性(キャップ形状がマッチ)
- 中央がくびれた独自形状で持ちやすい
- キャップが本体と紐でつながっており、紛失しにくい設計
日本ブランドらしい「気の利いた仕様」が随所に見られます。
両ブランドとも、軽量・折りたたみ・味移りしにくい素材といった共通点を持ちながらも、細かい設計思想には違いがあります。
このあと、スペックや使用感の比較を通して、「どちらが自分に合うのか」を詳しく見ていきましょう。
スペック比較|基本性能を徹底チェック
プラティパスとエバニュー、それぞれの代表的な2Lボトルモデルを比較してみると、意外と異なる点が多くあります。
どちらも登山者に人気の軽量ウォーターキャリーですが、使い勝手・収納性・素材感・価格に違いが見られます。
モデルスペック比較表
モデル名 | 販売サイト | 容量 | 重量 | サイズ | 素材 | 価格帯 |
---|---|---|---|---|---|---|
プラティパス プラティ2L ボトル | Amazon 楽天 Yahoo | 2.5L | 36g | 19×35cm | 本体:PE・ナイロン 注ぎ口:PE キャップ:PP | ¥2,750 (税込) |
エバニュー ウォーターキャリー 2L | Amazon 楽天 Yahoo | 2.0L | 42g | 21x33cm | 本体:ナイロン、低臭ポリエチレン、三層構造 注ぎ口:ポリエチレン キャップ:ポリプロピレン製抗菌加工 | ¥1,320 (税込) |
比較ポイントまとめ


✅ 軽量性
・Platy Bottle(36g)の方がエバニュー(42g)よりも軽量。超軽量志向ならこちらに軍配。
✅ サイズ感
・Platy:縦長でスリム、サイドポケットに収まりやすい。
・エバニュー:横に広め+くびれあり。
✅ キャップ形状
・Platy:標準的なネジ式キャップ。別売りでチューブやバルブにも対応。
・エバニュー:アタッチドキャップ付きで紛失しにくい
✅ 価格
・両者とも比較的安価で手に取りやすい価格帯。Platyの方がやや高め。
どちらが誰に向いている?
プラティパス Platy Bottle 2L はこんな人におすすめ
- 軽さと収納性を最重視したい人
- ザックのサイドポケットにスッと入る形状が欲しい人
- 味やニオイ移りの少なさにもこだわりたい人
Platyはとにかく「軽さとシンプルさ」に特化した設計。くるくると巻いて収納できる柔らかさと、無駄のない構造が魅力です。荷物を極力軽くしたいUL(ウルトラライト)志向の方に特に向いています。
※Sawyer Miniとの接続は一応可能ですが、ネジ山のピッチが微妙に異なるため、水漏れが起きやすく、しっかりとした互換性は期待できません。
エバニュー Water Carry 2L はこんな人におすすめ
- 浄水器(Sawyer Mini等)との高い互換性を求めている人
- 自立する構造や持ちやすさなど、使いやすさを重視する人
- キャップ紛失が不安な人(エバニューはキャップが本体と一体型)
エバニューは「使いやすさ」と「日本ブランドらしい細やかさ」が光るモデル。底面のガセット構造により自立しやすく、注水や浄水器の装着もスムーズ。特に登山中に複数回給水・注水する人には心強い味方です。
※エバニューのボトルはペットボトルと同じネジ規格を採用しており、Sawyer Miniとしっかり互換性があります。水漏れの心配も少なく、安心して使えます。




Platyはとにかく軽量&シンプル。エバニューは細かな配慮や安定感が強み。
どちらを選ぶかは、「持ち運びの軽さ」か「実際の使いやすさ」か、何を重視するかで選び方が変わってきます。
このあと、実際に1ヶ月使ってみて感じたリアルな使用感や、地味だけど重要なポイントの違いについて詳しくレビューしていきます。
使用レビュー|1ヶ月登山で使ってわかった違い
スペック表だけではわからない“使いやすさ”こそ、登山でのウォーターキャリー選びの決め手になります。
ここでは、実際に1ヶ月間の登山で使用したリアルな使用感を、2つの観点からレビューします。
充填・排出のしやすさ
▶ 口径の違い
Platy Bottle(プラティパス)もEvernew(エバニュー)も、どちらも口径はそこまで大きくありません。細口のペットボトルに近いサイズ感で、注ぎやすさに明確な差は感じませんでした。


▶ 注ぎやすさ
どちらも水や空気を入れれば自立しますが、エバニューの方が明らかに安定感あり。特に水場で注水するときや浄水器を取り付ける場面では、自立してくれる安心感が助かります。


洗浄とメンテナンス性
▶ 乾燥のしやすさ
両モデルとも折りたたみ式のため、しっかり乾かすには時間がかかる。
💡 乾燥を早めるコツ:
キッチンペーパーを中に入れて軽く振るだけで、水分がかなり取れます。
完全に乾くまで放置する時間がなくても、応急的に乾燥させる手段として非常に効果的です。
▶ 抗菌性・ニオイ残り
- エバニューは抗菌加工あり&低臭ポリエチレン採用。実際、使用後に水のニオイが残ることはなかった。
- Platyも「味がしない」ことを売りにしており、1ヶ月使用では両者ともニオイ・味移りはほぼ感じず。
✅ まとめ:使用感の違い(簡易表)
項目 | プラティパス Platy Bottle | エバニュー Water Carry |
---|---|---|
注水のしやすさ | ⚪︎自立しづらいが一応立つ | ◎ ガセット底でしっかり自立 |
乾燥のしやすさ | △ 時間がかかるが工夫次第で改善可 | △ 時間がかかるが工夫次第で改善可 |
ニオイ・味移り | ◎ 気にならない | ◎ 気にならない |
この章では、「注水のしやすさ」「乾燥のしやすさ」「ニオイ・味移り」など、使ってみないと分からないリアルな違いが明らかになりました。
次は、素材・耐久性の違いに注目して、さらに深掘りしていきます。
素材と耐久性の比較|長く使えるのはどっち?
ウォーターキャリーは何度も使い回すアイテムだからこそ、素材の質感や耐久性は超重要です。
ここでは、1ヶ月使用して感じた素材の違いや、温度変化にどれだけ耐えられるかも含めて検証します。
素材の質感としなやかさ
▶ プラティパス(Platy Bottle)
- 手触りはしなやかで柔らかく、丸めやすい素材感。
- ナイロン×ポリエチレン×ポリプロピレンの複合構造で、折り曲げてもクセが付きにくく、経年劣化も感じにくい。
- ザックの隙間にも柔軟にフィットしやすく、使い勝手が良い。
▶ エバニュー(Water Carry)
- パリッとしたハリのある質感。ペラペラではなく、頼りがいがある触感。
- 三層構造(低臭PE+バリア層+ナイロン)により、耐摩耗性・味移りの少なさを両立。
- しなやかさではPlatyに劣るが、逆に形状保持しやすくて自立しやすいというメリットも。
耐久性テストの結果
▶ 1ヶ月使用での実体験
- どちらも漏れ・破損なし。ザックの出し入れ・沢の岩場でもノートラブル。
- 特にエバニューは素材に厚みがあり、安心感があった。
▶ 他ユーザーの長期レビューより
プラティパス(Platypus)に関するレビュー:
- 「水を入れると直立するので使い勝手は良い。軽量でほどほどの堅牢性が購入の決め手です。難点は使用後の乾燥に時間がかかることでしょうか?」楽天レビュー
- 「登山用に使用しています。5年程使うと水漏れしてきたので、再度購入しました。使用後にコンパクトになるのが気に入ってます。」楽天レビュー
- 「バイクでのラーメンツーリングで使っています。かさ張らないので、たくさん荷物を積みにくいバイクにはいいです。使用後に乾きにくいですが、思ったほどでもなく変な匂いもありません。大満足です。」楽天レビュー
エバニュー(EVERNEW)に関するレビュー:
- 「登山時のハイドレーションシステムとして使用しています。星が4つの理由は、冬山で使うと復路が破れるのではと思うほど固くなります。ですが、安価ですのでガシガシ使っています。」楽天レビュー
- 「軽くて丈夫そうで重宝しそうです。ただし、水量の目盛りがついていなかったので実際に水を入れて油性マジックで目印をつけました。」楽天レビュー
耐熱性・耐寒性の違い
▶ プラティパス(Platy Bottle)
- メーカー公式では「高温・冷凍は非推奨」。
- 一部レビューでは「凍らせて使っても問題なかった」との声もあるが、繰り返すと劣化のリスクあり。
- 熱い飲み物はNG。冬季登山では保温ケース必須。
▶ エバニュー
- 使用温度範囲:-20℃〜90℃と公式で明記。
- 雪山や冬山でも安心して使えるスペック。温泉湯たんぽにも応用できるレベル。
- 熱湯を入れる場合は変形の可能性もあるが、「熱湯対応してる」というだけで安心感が段違い。
✅ まとめ:素材と耐久性の比較表
項目 | プラティパス Platy Bottle | エバニュー Water Carry |
---|---|---|
素材感 | ◎ しなやかで柔らかい | ○ ハリがありしっかり |
丸めやすさ | ◎ 非常に柔軟 | △ やや硬めで厚みあり |
耐久性 | ○ 3年程度使用可能(軽量ゆえ注意も) | ◎ 厚手素材で破れにくい |
耐熱性・耐寒性 | △ 高温・冷凍は非推奨 | ◎ -20℃〜90℃で使用可能 |
どちらも1ヶ月の使用では全く問題なく信頼できる品質でしたが、
より長く、ハードに使いたいならエバニュー、
軽さ・柔らかさ重視ならプラティパスが向いています。
次章では、価格や保証制度などのコスパ面を比較していきます。
コストパフォーマンスと保証|長く使うならどっちがお得?
ウォーターキャリーは安くてもすぐ壊れてしまっては意味がありません。
ここでは、価格・耐久性・保証制度・拡張パーツなどを比較し、どちらが“長く使って得するか”を掘り下げていきます。
価格帯の比較
モデル名 | 容量 | 価格帯(税込) |
---|---|---|
プラティパス Platy Bottle 2L | 2.5L | ¥2,750 (税込) |
エバニュー Water Carry 2L | 2.0L | ¥1,320 (税込) |
- 価格だけで見ると、エバニューの方がやや安価。
- ただし、どちらもコスパ重視のULギアとしては非常に優秀な価格設定。
保証制度の違い
ブランド | 保証内容 | 条件・備考 |
---|---|---|
プラティパス | 1年間の製品保証 | 国内正規代理店e-motによる対応。初期不良や通常使用における不具合が対象。 👉 保証詳細はこちら |
エバニュー | 明確な保証なし | 公式には保証期間の設定なし。品質維持期間の目安は「月2回使用で2~3年」 👉 公式FAQ |
プラティパス(Platypus)は、海外ブランドながら安心のサポート体制が整っています。
日本国内では正規代理店のe-motが1年間の製品保証を提供しており、通常使用での不具合や初期不良にもしっかり対応してくれます。
エバニュー(EVERNEW)は、公式に明記された保証期間はないです。
ただし、FAQページには「一般的に2〜3年が品質維持期間の目安」と記載されています。
拡張性・パーツ対応
▶ プラティパス
- ドリンクチューブ、キャップ、バイトバルブ、浄水器接続アダプターなどが豊富
- Hydration Kitを追加すれば、ハイドレーションパックとしても使える(別売)


▶ エバニュー
- 基本はシンプル構成。ソーヤーミニと直接接続可能なのが最大の拡張性
- ハイドレーション対応チューブも別売で存在するが、選択肢は少なめ


✅ まとめ:コスパ・保証の比較表
項目 | プラティパス Platy Bottle | エバニュー Water Carry |
---|---|---|
価格 | △ やや高め | ◎ 安価で手に入れやすい |
保証 | ◎ 1年間の製品保証あり | △ 明確な保証なし |
パーツの拡張性 | ◎ 豊富なアクセサリーに対応 | ○ ソーヤーミニ接続可。拡張は最小限 |
長期使用コスパ | ◎ 保証込みで安心して使える | ○ 壊れたら買い替えでも惜しくない価格感 |
まとめると…
- 「長く1本を愛用したい・ハイドレーションにしたい」ならプラティパス
- 「とにかくコスパよく・必要最小限で済ませたい」ならエバニュー
どちらも価格に対して十分すぎる性能ですが、あなたのスタイル次第で“コスパの意味”は変わってくるはずです。
比較まとめ|違いを表でおさらい
登山におけるウォーターキャリーは、快適さ・安全性・軽量性すべてに関わる重要ギアです。
「Platy Bottle」と「エバニュー Water Carry」は、どちらも人気の2Lクラスですが、実際に使ってみると細かな違いが見えてきました。
ここでは、これまで紹介したポイントを一目でわかる表にまとめました。
比較項目 | プラティパス Platy Bottle | エバニュー Water Carry |
---|---|---|
容量 | 2.5L | 2.0L |
重量 | 約36g | 約42g |
素材感 | しなやかで柔らかい(丸めやすい) | ハリがあってしっかり(自立しやすい) |
注水のしやすさ | △ 一応立つが自立しづらい | ◎ ガセット底で自立しやすい |
乾燥のしやすさ | △ 工夫次第でOK | △ 工夫次第でOK |
ニオイ・味移り | ◎ ほぼ気にならない | ◎ 抗菌加工+低臭PEで気にならない |
浄水器互換性 | △ Sawyer Miniは接続可だが漏れやすい。プラティパスの浄水器を使う必要がある | ◎ Sawyer Miniと完全互換(ペットボトル規格) |
耐熱・耐寒性 | △ 高温・冷凍は非推奨 | ◎ -20〜90℃まで対応(冬山でも安心) |
保証 | ◎ 正規代理店により1年保証付き | △ 明確な保証なし(品質維持期間2~3年目安) |
価格(税込) | ¥2,750 | ¥1,320 |
拡張性 | ◎ パーツ豊富、ハイドレーション化も可 | ○ Sawyer Mini接続可、拡張パーツは少なめ |
それぞれの「選ぶ基準」まとめ
✅ Platy Bottle(プラティパス)がおすすめな人
- とにかく軽く、シンプルでコンパクトに使いたい
- 荷物は最小限にしたいUL志向の登山者
- ハイドレーションやアクセサリーの拡張性も欲しい
- 保証付きで長く1本を使い続けたい
✅ Water Carry(エバニュー)がおすすめな人
- 浄水器(Sawyer Miniなど)との互換性を重視したい
- 注水時に自立してくれる使いやすさが欲しい
- 壊れたら買い替えるくらいの気楽さで使いたい
- 日本ブランドの細やかな気配りが好き
最後にひとこと
どちらを選ぶかで、登山中の快適さが本当に変わります。
「軽さ」か「使いやすさ」か、自分が大事にしたい基準を明確にすると、自然と選ぶべきモデルも見えてくるはず。
気になる方は、下のリンクからチェックしてみてください。
「軽さ」か「使いやすさ」か、あなたの登山スタイルに合った1本をぜひ見つけてください!